境界線

ふと空を見上げたら
雲と空の境界線が見えた。
こうしてはっきりと分かれているのって
珍しい気がして思わずパシャリ。

こっちは空の領域で
あっちは雲の領域。
そんな風に、お互いに干渉しないで
混ざり合っちゃダメって
越えられない大きな線があるみたい。

越えようと思えば越えられそうなのに
どうしても越えられない線。

感情は
こんな風に、はっきりと線を引くのって難しい。
好きか嫌いか
会うか会わないか
話すか話さないか
どっちかしかない、なんてことはない。

頭では分かっていても
心では付いていけない、とか
会っちゃいけないって分かっていても
会いたくなって会っちゃう、とか
好きじゃないけど嫌いでもない、とか。
気持ちって難しい。

だけどそもそも、どちらかである必要ってあるのかな。
グレーゾーンだってきっと、必要。
どちらかを選ぶためのステップとして
心を決めるための一歩の準備として
グレーゾーンがあるからこそ、前に進めることだってある。

どっちつかずって
すっごくすっごく苦しいけれど。
でも決められないなら、決めなくていい。
諦めない限り
投げやりにならない限り
心がちゃんとどっちかに近付いていく。
向き合うことを止めなければ
心はちゃんと、選べる。

越えられない線があるのなら
線そのものを消してしまえばいい。
そうすればきっと
隣同士が入り混じって
自然とグレーゾーンが出来る。
きっと
境界線を作っているのは、自分自身。

こうしなきゃとか
こう在るべきとか
そうやって自分の行動や心を縛っているのは
自分自身。

理想を追い求めるのは大切。
でも、それに囚われないことも大切。
囚われ過ぎてしまうと
理想とは違う自分が許せなくて
今の自分を認められなくなるから。

ダメだっていいし
うまくいかなくたっていい。
汚い自分も、卑怯な自分も
どろどろしたズルい自分も
そういう許せない自分がいたっていい。
後悔したって
失敗したって
それがちゃんと糧となって、次に繋がればいい。

きっと大事なのは
理想に近づくためにどれだけ努力をしているか、の前に
今の自分をどれだけ受け入れているか、なんだと思う。
ダメなところも良いところも全部ひっくるめた
「今の自分」を認めないと
どれだけ理想に近づいたとしても
何かがきっかけで足場がぐらついて、すぐに倒れちゃう。

きっとそれは、幻の階段。
駆け上がってもびくともしないような階段を作るには
基礎工事が重要だからね。

キレイなものだけじゃない
泥臭い部分だって人間らしくて素敵だと思う。

ダメだっていい。
イイ人じゃなくたっていい。
そんな自分だって、十分素敵だよ。
でも、
もっと素敵になりたいから、理想に向かって進んでいく。
それで、いい。

境界線なんてぶち壊して
ぐちゃぐちゃに混ぜてしまえばいい。
綺麗なモノも汚いモノも
全部ひっくるめて一緒にしてしまえばいい。
そうしたらマーブル模様みたいに
それはそれで味のある色になって
人間らしい美しさが、そこにはあるのかもしれない。

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コメント

  1. まゆりんこ より:

    なーんか勝手に、 私のために書いてくださった記事なのかなぁ… なんて思ってしまいました(*´д`*)
    それにしても、本当に珍しい空でしたね☆

  2. Elly より:

    まゆりんこさん
    タイミング的にそうでしたねー。
    お友達にもグレーゾーンで悩んでいた子がいたので書いてみたのですが、 まゆりんこさんのことも意識しながら書いちゃいました(>_<)