損な方ばかり選ぶ女

驚くほど本を読んでいない。
ということに気付き、しばし反省した。
仕事用や勉強用の本は最初から最後まで通して読むというよりも
つまみ食いならぬ、つまみ読み。
情報収集をしたい時は、ついつい時間短縮のために
必要箇所だけ読んで、次の本その次の本・・・と読んでしまうから
一冊きちんと読んだ本が少ないんだよね。

こりゃいかん。
(↑無駄に太字。特に意味はない)

と思って8月はジャンルを問わず何冊も買ってしまった。
ほとんどがアマゾンの中古だけど。
で、まず読んだ本がこちら。

「anego」
林真理子 著
小学館文庫

何年も前にドラマ化もされたけれど
ドラマは見ていないんだよね。
でも多分、原作よりも明るく描かれていたんだろうな。

以下、ネタバレするのでOKな人だけどうぞ。

いやー、リアル。
主人公が32歳なんだけど
30代の独身女性のキモチと状況がリアルで。

合コンしたり、お持ち帰りしたりされたり
不倫したり、不倫相手の妻にバレたり
どろどろしていて、
でも自分の心だけじゃどうにもうまくコントロール出来なくて。
結局、素敵な人と出会って結婚するはずだったのに
前の不倫の諸々が原因で破談になっちゃって…
最後はそうなるのかっ!ってびっくり。

ダメだって分かっているのに
周りの人にも止められているのに
包容力がある(または、あるように見える)妻帯者に惹かれてしまうのも
年下の犬っぽい同僚に絆されちゃうのも
なんとなく、わかる。
いえ、経験はないですけどね。

綺麗な格好してカツカツ歩いていて仕事が出来る女性って感じでも
本当は淋しかったり素直になれなかったりする脆さや不器用さとか
周りが結婚して子どもが生まれてって話を聞くと
どうしようもなく焦ってしまって
このままずっと一人なのかなって漠然と不安になったりすることとか
あー分かる分かるって感じ。

で、自分の中の最後の境界線は
越えちゃダメって分かっているからストップして
甘えちゃえば楽になるかもしれないけれど
やっぱりそれはよくないって踏み止まるところとか
脆いのに強くて
強いけどある種の諦めが上手になってしまっていて
傷ついているのにそんなそぶりを見せない姿とか
結構重なる部分があったりして、すっごくリアル。

主人公のお母さんが言っていた
「いつもナオちゃん(主人公)って、損な方ばかり選ぶのね」
という言葉が印象的だった。
コロっと甘えられる可愛げのある女性でいられれば
幸せになれるかもしれないのに
どうしてもそっちを選べなくて結局損をしてしまうっていうのは
分かる気がする。

いやしかし
最後は、ぞっとしたよ!

でも面白かったです。

あ、読むときは元気があるときの方がいいかも(笑)
後半部分の泥沼にココロを持っていかれないように!

by Elly

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